今回、Synology製のNAS「DS923+」を購入し、10Gbpsで通信できるように環境を整えてみたのでレビューします。
Synology NAS DS923+を買った理由
今までSynology NAS DS218+にWDのREDの6TBを2本使用し、SHR(RAID1)を組んで使っていました。
基本的には写真と動画のバックアップだったのですが、動画の容量が大きく6TBは満タン状態になり、しばらく放置していました。その間にも写真と動画は増え続けており、MacBook Proに外付けしているSSDなどに移して一時しのぎしており、このままじゃデータ飛んだときにやばいなと思っている状況でした。
そんな時AmazonのタイムセールでWDのGoldの20TBが5万8千円くらいに値下がりしており、ちょっと高いなとは思いつつ、データをぶっ飛ばしたらお金をかけても戻ってこないので、勢いそのままにHDDを購入。
※ただし、Amazonで一時的に品切れ中と表示されており、6月2日に注文して6月29日現在まで届いておりません。。。
NASを動画編集にも活用したい
HDDがまだ届いていないのですが、NASをもっと活用出来たらなと常々思っていました。本当は動画をNASに入れた状態でFinal Cut Proで動画編集したいのです。しかし、4K動画をNASに入れた状態で編集しようものなら、全然再生されずに使い物にならないので、外付けSSDでしのいでいました。
というのもDS218+ってLANが1GbpsでMB/sに直すと110MB/s程度のスピードしかでなくて、さらにパソコンはNECのAterm WG2600HP3とWIFI5で接続、子機が2ストリームしか対応していないので833MHzで接続されていました。ちなみにこのPCはMacBook Proではなく、富士通のWU4/H1です。
その環境でCrystalDiskMarkを走らせたところ。。。
シークエンスでも30~40MB/sとなかなかに絶望的な速度をたたき出してくれました(笑)
WIFI親機が少し遠いので無線接続していましたが、有線接続してみたところ
ちゃんと1Gbpsの速度は出てくれていました。ただランダムアクセスはイマイチという感じ。
DS923+に決めた理由
せめて2.5GbEのNASならそこそこ速そうなのになぁと思いつつ、Synologyは2.5GbEに対応せずに1Gbpsが2口か10GbEに別売りアダプターで改造するかという選択肢。
QNAPとASUSTORには2.5GbEがあるので、真剣にメーカーを乗り換えようと検討しました。20TBのHDDは注文して届くの待ちだったので、そのHDDを突っ込んで新たにシステムを組み立てればいいじゃないと。
でもここで4ベイのNASに興味を持ち始めてしまいました(笑)。4ベイでRAID5にすればもっと速度が出て、HDDの容量も効率的に使えるなと。
QNAPやASUSTORの4ベイを購入すると、同一容量のHDDが4本いるので、さらに2本の20TBのHDDを買い足す必要がありますが、SynologyはSHRで組んでいたので、容量違いのHDDでも使用可!現在の6TB2本と買い足した20TB2本の32TBで組めちゃうんですよね。
ってことでDS923+が気になっていたところ、楽天ジョーシンで、スーパーDEAL対応で他のSPUなども組み合わせることで、ポイントが20%くらい返ってくるので勢いで勢いで買ってしまいました。
10GbEの環境を揃える
DS923+をポチってしまったと同時にこちらも購入。
DS923+を10GbE化するための、E10G22-T1-Mini。6月18日時点で21,764円。もう後戻りできません。
これで通信環境を10GbEにする必要性が出てきました。
LAN環境としては、ダイニングのルータがあるところに親機NECのAterm WG2600HP3を使用し、TP-LINKの1GbEの8口のスイッチングハブ、監視カメラ用にPoE対応の1GbEのTP-LINKの4口ハブを設置していました。
これにプラスして10GbEのスイッチングハブを購入。
選んだのはまたまたTP-LINKのスイッチングハブ。6月18日時点で29,551円でクーポンついて26,560円で買えました。
それとCat6A以上のLANケーブル。Cat6は1GpbsなのでCat6A以上でないとダメです。ちなみにDS923+からスイッチングハブ、スイッチングハブからPCまでと2本必要なので要注意。DS923+についていたLANケーブルはCat5Eでした。
私はバッファローのCat6Aにしました。セールで安かったのでCat7の20mのLANケーブル買ったのですが、Cat7のケーブルはレビューでは柔らかいとありましたが、くそ固くて取り回しが悪かったので使うのをやめました。1600円無駄にした。
そして、最終のパソコンを10GbE化させなければなりません。
WU4/H1とMacBook ProはThunderbolt4に対応しているので、Thunderboltを10GbEに変換するアダプターで10GbE化させました。
購入したのがOWC Thunderbolt 3 10G Ethernet Adapterです。こちらは6月18日の購入時で楽天の方が安くてポイントもつきました。
ちなみについでなのでDS923+用のメモリにECC対応のv-color Hynix IC サーバー用メモリ DDR4-2666MHzを16GB×2の32GBとSSDキャッシュ用にLexarの1TBのSSDを2本購入しました。
LexarのSSDはTLCじゃなくQLCのようなのでちょっとミスりましたね。
Synology DS923+を10GbE化
届いたのでDS923+を開封です。
本体と電源アダプター、電源ケーブル、Cat5EのLANケーブル2本、2.5インチ用のネジ。
他にもマニュアルがついていましたが、まだ読んでいません。
本体の表側にUSB3.2 Gen1のポートがついています。
裏面には1GpEのLANポートが2個、USB3.2 Gen1のポートが1個、増設ボックス用のSATAポート、電源ポート、10GbE化させるためのポートがついています。
底面にはSSDの入り口があります。
そしてこちらが10GbE化させるためのアダプター「E10G22-T1-Mini」です。
さくっと装着します。
ネジでふたを開けて、差し込むだけです。
めちゃくちゃ簡単。Synologyの上位機種はツールレスでHDDやSSDを装着できますが、アダプターはドライバーが必要です。
DS218+のHDDを移設
Synologyにした理由の1つがCPUのアーキティクチャーが大丈夫なら、HDDをそのまま移設して引っ越しができるのです。
DS218+からDS923+は移設OKなので、HDDの順番を間違えないように1つずつ取り出して、念のためマジックでナンバーを書いて移設しました。
一応何があるかわからないので、写真と動画データだけは外付けHDDにコピーだけ取っておきました。バックアップ大事。
E10G22-T1-Miniの落とし穴
E10G22-T1-Miniで10GbE化させたので、もちろんLANケーブルはE10G22-T1-Miniに差して初期設定をしようと思ったら、全然ネットワーク上にDS923+が見つかりません。
find.synology.comと入れても見つからないのです。
スイッチングハブを見に行ってみると、通信状態を示すインジケーター・・・光っていません!!
違うポートに差しても認識せず、違うLANケーブル差しても認識せず。
マジかよ、不良品つかまされたのか。。。
と思いつつ、初期装備の1GbEにつないでfind.synology.comで認識してくれました。
本当ならここでも画面キャプチャしておくつもりだったのですが、E10G22-T1-Miniが不良品だったことばかり考えていたので、キャプチャし忘れました。
お帰りなさい的なことが画面に出てきて、システムを残す的な感じの文言が出てきたと思います。そしてDS923+の再起動で10分待ちの画面。
しかし、再起動していますのが画面で、一度ブラウザを閉じてしまいました。
するとですね・・10分経っても再起動せず、find.synology.comでも見つからずという状態に。
ただNASのHDDは動き続けている状態でしたので、こういう時は焦って電源を落とすとろくなことにならないので、放置して寝ることにしました。
そして翌日起きたら、DS218+はSynologyのファームウェアがDSM6台だったのに対して、DSM7台にアップデートされておりました。全然再起動しなかったのはファームウェアのアップデートだったようです。
そして、初期不良品と思っていたE10G22-T1-Miniですが、改めてつないでみると認識するではありませんか。
E10G22-T1-Miniは初期セットアップでは使えないようです。いやいやマジで焦ったよ。
DS923+を10GbE化させてみた結果
非常にやきもきしたものの、DS923+の10GbE化は成功しました。
ただし、まだHDDが届かないので、WD REDの6TB×2のSHR状態で運用中なのですが、速度を測ってみました。
ちなみこれはメモリ増設前の4GB状態です。
最初に測ったのが1GBのファイルだったので、気にしていませんでしたがシーケンシャルリードがイマイチですね。
2GBファイルならそれなりにシーケンシャルリードは出ていますが、ランダムアクセスが一気に遅くなっています。
HDD2本のSHRなのでRAID1と同じなので、そんなに速度が出ていません。345MB/sくらいが限界の様です。
ちなみにDS218+で、スイッチングハブはWG2600HP3の背面の1GbE状態で、パソコンだけOWC Thunderbolt 10GbEを使ったときにも測定してみたところ。
左が10GbEのアダプター使用時、右はWU4/H1についている1GbEのLANポート使用時。
シーケンシャルの書き込みは遅くなっているのですが、ランダムの読み込みと書き込みのスピードが上がりました。
まとめ
DS923+を購入したので、いろいろ思っていたことなどを書いてみました。
10GbE化は成功したのですが、HDDが届かないのでまだRAID1状態。それでも1GbEよりも転送速度はしっかりと出てくれましたが10GbEの上限にはまだまだ。RAID1なら2.5GbEで十分ですね。多分300MB/sくらいはでますし。
ちなみにメモリ32GBとSSDキャッシュを使用した場合も測定しているのですが、長くなってきたので、一度これで締めます。
コメント
コメント一覧 (6件)
検索してこちらのブログに行きつきました。大変参考になる情報ありがとうございました。ちなみに、20TBを載せると冒頭にありましたが、こちらは搭載できたかご教示いただけますと幸いです。
酔いどれ様
コメントありがとうございます。
現在、WD Goldの20TB×2とWD Redの6TB×2で運用しています。本当は20TB×4にしたいのですが、HDDの値段が高くなってしまったので、それは見送り中です。
ちなみにMacのFinal Cut Proで4Kの動画編集すると、時折コマ落ちしますが、十分運用できる範囲です。
ご回答ありがとうございます!。これで
qnapからの乗り換えに踏ん切り着きました。三年前に購入した際は満足していたのですが、外部から接続した際に350KB/Sしかでないので買い換えに悩んでました。
QNAPは使用したことないので、酔いどれ様の使い方にSynologyが最適なのかはわかりませんが、私の使い方では満足しています。
参考になったのなら幸いです。
大変参考になりました、もう一点ご教示ください。
質問ばかりですいません。
もしSynologyのQuickConnectを使われてましたら、外部接続でどの程度の転送速度が出ているかご教示ください。
すみません、コメント見落としておりました。
QulickConnectを使用した場合ですが、私のネット回線は家は1Gbpsで、外ではスマホのテザリングなので、そんなに速度は出ないというのが現状です。
双方10Gbpsなら速度が出るのかもしれませんが、その環境を構築できておりませんので、酔いどれ様が期待されるほどの速度がでるのかはわかりません。